ヘルニアの治療 
 ヘルニアは手術以外に治療法はありません!

放っておくと大きくなったり,嵌頓(出たものが戻らなくなること)したりして、
緊急手術をしないと行けない場合があります。
 
 鼠径ヘルニアの主な種類
           
            外鼠径ヘルニア        内鼠径ヘルニア         大腿ヘルニア
 ヘルニアの部位(腸が出てくる袋のある部位)により,合併症の発生率や手術後の再発率などに
差がありますが手術法は基本的に同じです。
鼠径ヘルニアの主な種類
手術の基本は,ヘルニア嚢(腸が出てくる袋)を処理し,再び出てこない様に補強することです。
バッシーニ法
昔から行われてきた筋肉や靱帯を用いた補強法

手術後の痛みが強く,ベッド上の安静が必要。
再発率も高いため,現在ではほとんど行われていません。
 
メッシュを使用した補強法 上記の手術のように自分の筋肉や靱帯などを縫い寄せて補強するのではなく
メッシュという補強材料を使用する方法.。
現在ではメッシュを使用した補強が主流ですが,その中でも多くの手術法があります。
以下に代表的な手術法をお示しします。
   いろいろな形状のメッシュを使用して腸管の脱出を押さえる。
       
リヒテンシュタイン法 

 特殊なメッシュを使用するのではなくシート状のメッシュを
 ある程度の大きさに切って周囲を縫いつける方法
 
メッシュプラグ法

 下の写真のようなバドミントンの羽のような形をした
 メッシュを用いて修復する方法。
          
森 匡PerFix mesh plugを用いた成人鼠径ヘルニア手術のコツ(手術 50,1996) より
   メッシュプラグ法を考案したDr RutkowとDr Robbins が来日された時にヘルニアの手術を一緒に行いました。

写真手前左側が私(森) 
右側がDr Robbinsです。
PHS法

 プロリンヘルニアシステムというメッシュを用いて修復する 方法 
 ヘルニア嚢が出ている部位にプラグ(栓)状のメッシュを入れて,その上にシート状のメッシュをあて補強します。
       

   
森 匡 PROLENE Hernia Systemを用いたヘルニア新しいヘルニア修復術(手術53,1999)より
 

UHS法 (PHS法で使用するメッシュを改良した方法)

70%の吸収性素材(Monocryl)と30%の非吸収性素材(Prolene)で編成されています。

これにより手術中は患部へのメッシュの挿入操作がやりやすく、手術後は約70%の素材が術後約120日で体内に吸収されるので、術後の異物感や疼痛を軽減することが期待でき、さらに自然なフィット感を期待できます。

   
 UPP法 (上記のUHS法と同様に吸収素材と非吸収素材で構成されています)
 
  
  当院では主にこの手術方法を選択しています。
 

上記に記載したようにヘルニアにはいろいろな型があり,また各手術方法もそれぞれ利点と欠点を有していますので,当院では患者様の状況によって手術方法を選択しています。
その中でも、UPP法はメッシュプラグ法、PHS法、UHS法のそれぞれの良い要素を持ち合わせると思われるので、当院では好んで施行している手術法です。

 
麻酔方法

手術をする部位のみに行う局所麻酔でも可能ですが,通常は腰椎麻酔(下半身麻酔)か硬膜外麻酔を行います。
当院では日帰り手術が可能なように硬膜外麻酔下に手術を行っています。
 
腹腔鏡下ヘルニア修復術

全身麻酔下に腹腔内(おなかの中)に炭酸ガスを入れて中から修復する方法。
開腹せずに腹膜の外から修復する方法もあります。
 
鼠径ヘルニアの主な種類

腹壁瘢痕ヘルニアとは?


開腹手術を受けた後の傷の部分(筋層部分)の治りが悪く,腸などが飛び出してくる状態をいいます。手術後すぐに出る場合と何年後かに出る場合があります。
放っておくと徐々に大きくなり,修復するのが難しくなります。

手術方法の基本は開いた筋層を再縫合すれば良いのですが,大きく開いている場合は再縫合してもすぐに筋膜,筋層が裂けてしすぐに再発してしまいます。
そのため,メッシュによる補強が必要になりますが,メッシュが直接腸管に接すると腸管に障害が起こってしまいます。
このような場合は,腸管に直接触れても問題のない素材を組み合わせたメッシュを使用します。
 コンポジックスクーゲルパッチ

腹壁と腸管の剥離を行って腹腔内からメッシュをあてて補強します。
   
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